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はじめに
株式投資を始めるにあたり、どのような分析手法を使うべきか悩む方も多いでしょう。株式投資の分析手法は大きく分けて「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」の2つに分類されます。テクニカル分析は過去の価格や取引量のデータを基に将来の価格動向を予測する手法で、チャートや指標を活用します。一方、ファンダメンタル分析は企業の財務状況や経済指標を基に企業の本質的価値を評価する手法です。これらの分析手法を理解し、自分に合った投資スタイルを見つけることが、成功への第一歩となります。今回はテクニカル分析の基本を解説していきます。
テクニカル分析の様々な分析手法
テクニカル分析は、株式投資において過去の価格や取引量のデータを基に将来の価格動向を予測する手法です。一言でテクニカル分析と言っても、様々な手法が存在します。代表的なテクニカル指標やそれぞれの特徴や使い方を簡単に解説します。
指標によってまったく逆のサインを出すことも珍しくありません。ある指標では「買い」なのに、ある指標では「売り」になっているようなケースです。なので、見る指標を1つに絞らずに、複数の指標を見ることが重要です。
ローソク足
過去の価格変動を視覚的に表現し、トレンドや反転のサインを読み取る手法です。一定期間の「始値」「高値」「安値」「終値」を活用して1本の棒状の足を生成したものです。1分、5分、30分、1時間、1日、1週間、1か月など様々な単位で表すことがあります。デイトレードでは1分足や5分足を見ることが多いです。
ローソク足については、いろんなパターンがあります。以前にこのブログでも基本を紹介しているので、参考にしてください。
▶ ローソク足の基本の基本
RSI(相対力指数)
株価の勢いを数値化するテクニカル指標で、買われすぎや売られすぎの状態を判断するために使われます。計算式は以下の通りです。
一定期間は14日で計算されることが多いです。計算式はともかく、上昇幅の平均と下落幅の平均を比較しその結果を0から100の範囲で数値化されていることを抑えておけばよいでしょう。
70以上: 買われすぎの状態を示し、価格の反落が予想されます。
30以下: 売られすぎの状態を示し、価格の反発が予想されます。
30〜70の範囲: 中立的な状態を示し、特に強い売買シグナルはありません。
RSIはある程度上限と下限の価格が決まった「ボックス相場」で機能する、とされています。デメリットのところに記載したように「トレンド相場」では誤ったシグナルを出すこともあるので要注意です。
RSIは他のテクニカル指標と組み合わせることで、より信頼性の高い投資判断が可能になります。ぜひ、実際のチャートでRSIの動きを観察しながら活用してみましょう。
価格帯別出来高
特定の価格帯ごとに集計された出来高を示す指標です。通常の出来高が「いつ、どれくらいの売買が成立したのか」を示すのに対し、価格帯別出来高は「いくらで、どれくらいの売買が成立したのか」を示します。
現在の株価が出来高が多い価格帯よりも下にある場合、その価格帯は上値抵抗線として機能しやすいです。
多くの投資家がその価格で売買しているため、株価がその価格帯に近づくと売り圧力が強まりやすくなります。
現在の株価が出来高が多い価格帯よりも上にある場合、その価格帯は下値支持線として機能しやすいです。
多くの投資家がその価格で買っているため、株価がその価格帯に近づくと買い圧力が強まりやすくなります。
MACDとMACDシグナル
MACD(Moving Average Convergence Divergence)は、短期の指数平滑移動平均線(EMA)と長期のEMAの差を基に計算されます。MACDシグナルは、MACDラインの9日間のEMAです。これら2つのラインの交差を利用して売買シグナルを判断します。
MACDはそもそもテクニカル指標の1つである「移動平均線」をベースにしています。移動平均線とは「一定期間の終値の平均値をつなぎあわせた折れ線グラフ」です。価格が移動平均線の上にあれば強い相場、下にあれば弱い相場と見ることができます。
MACDは「短期の指数平滑移動平均線 – 長期の指数低下つ移動平均線」を示します。「指数平滑移動平均」は、過去の価格よりも直近の価格に比重を置いて計算された値です。
交差しなくても2つの線が上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドと解釈できます。メリットとデメリットについてもまとめておきましょう。
一目均衡表
一目均衡表は「相場は売り方と買い方の均衡が崩れた方向へ動くものであり、相場の行方は一目瞭然である」という考え方に基づいたものだそうです。5本の線(基準線、転換線、先行スパン1、先行スパン2、遅行スパン)から構成されます。まずはこれらの5本の線から確認していきましょう。
これらを活用した解釈はいくつかのパターンに分類されます。整理しておきましょう。
<基準線と転換線を活用したもの>
- 基準線が上向き:上昇トレンド
- 基準線が下向き:下降トレンド
- 基準線が上向きの状態で転換線が下から上に抜ける:買いシグナル(好転)
- 基準線が下向きの状態で転換線が上から下に抜ける:売りシグナル(逆転)
先行スパンを活用したもの
先行スパン1と先行スパン2に挟まれたゾーンのことを「雲」と呼びます。
- ローソク足が雲の上にある:強い相場
ローソク足が雲を下から上に突破した場合は上昇サイン(好転)となります。 - ローソク足が雲の下にある:弱い相場
ローソク足が雲を上から下に突破した場合は下落サイン(逆転)となります。
遅行線を活用したもの
- 遅行線がローソク足を上回る:買いシグナル(好転)
- 遅行線がローソク足を下回る:売りシグナル(逆転)
上記に記したように「好転」の条件が3つあります。これらの3つの条件がそろった状態を「三役好転」といい、非常に強い買いシグナルになります。
新値足
目先の小さな株価変動にとらわれることなく、相場の流れの転機を知るために開発された指標です。
新値足は価格の高値や安値を更新したときに新しい足を記入するチャートです。時間の概念を無視し価格の動きに焦点を当てるため、トレンドの転換点を見つけやすい特徴があります。
- 新値足の作成方法
大引値が新値を更新する度に、行を変えて罫線を記入していきます。つまり、上昇過程では前の高値を抜けば行を変えて陽線を記入し、また、下降過程においては前の安値を下回ると行を変えて陰線を記入します。
新値三本足の場合は、転換する場合、三本陽線(もしくは陰線)を抜いた時、始めて陰線(もしくは陽線)を記入します。
このようにして作成した新値足は、「陽転の直前の陰線が多いほど値上がりが期待できる」あるいは、「陰転の直前の陽線が多いほど天井である」といえます。また、新値を更新し続け10本以上連続で記入した場合は、利益確定が出始めるころであると注意してみましょう。
まとめ
本ブログでは、株式投資初心者向けにテクニカル分析の基本手法を解説しました。ローソク足、RSI、価格帯別出来高、MACD(移動平均収束拡散法)、一目均衡表、新値3本足など、各手法の特徴や使い方を学ぶことで、相場のトレンドやエントリーポイントを見極める力が身につきます。テクニカル分析は、過去のデータを基に未来の価格動向を予測する有力なツールですが、常にリスク管理を忘れず、他の分析手法と併用することが重要です。
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